2024年6月12日水曜日

データサイエンスの失敗例

 今まで色々なデータサイエンスに関する案件に携わってきましたが、成功例もある一方色々な失敗もしてきました。いくつか例としてあげておきます。


(1) 可視化をすることで失敗

これはどの現場でもありそうなことですが、データサイエンスを実践するときに、まずは可視化を行い、自分自身がデータを理解し、またディスカッションの材料とします。しかし、打ち合わせでは様々な立場の方々がいます。出席者の立場を配慮せず、多角度から可視化をした結果、その立場の方のウイークポイントが明確になってしまい、打ち合わせ場で怒りを買ってしまったことがあります。課題を明確にするには必要なことですが、相手を怒らせてしまうと議論が停滞し、その後精度の良い分析をしても受け入れられることもなくなってしまいます。その現場の方は頑張っていることだと思いますし、言い方の問題だと思いますので、あまり機械的に話さず、時には柔らかく話すことも大事だと思いました。


(2) キーパーソン不在

データサイエンスでは、こちらが持つ分析ノウハウ、データ、現場の課題感を結びつけながら課題解決を図っていきます。そのときに分析側と現場を繋げるキーパーソンが必要です。キーパーソンはこちらの分析結果を現場に合う形に翻訳することもあります。また現場の課題を抽出し、まとめてもらうことも必要です。このキーパーソンがいない場合、良い結果が出る可能性は極端に低くなると思います。


(3) 何かやってよ

以前は「AIやってみて」という依頼もあったのですが、このデータは山のようにあるから「何かやってみてよ」は上手くいきません。それは目的がないからです。データサイエンスは社会の課題解決を図ることが目的の一つですので、目的がない限り、NDAのデータ利用制限があるような分析環境はうまくいきません。データサイエンスはやはり現場との連携と目的意識を共有することが重要です。


(4) あまりに強い仮説意識

データサイエンスを実践する場合、目的意識は大事で、経験値からくる仮説は重要です。可視化によってディスカッションを経て仮説が出てくれば、その仮説を実証するために分析を行います。その分析結果を確認し、必要なら仮説を修正するようなPDCAサイクルを繰り返します。しかし、あまりに自分の仮説に固執すると、そのための分析になってしまい、事実を曲げてしまう可能性があります。適度な強度の仮説が求められます。


(5) 相手がこわい

打ち合わせの場で、そもそも相手がこわいときがあります。その人の素の姿だと思いますが、自然体で怖そうだと打ち合わせに行きたくなくなります。研究で仲介者がいる場合は、「先方は怖い人ですか?」と聞いています。


AI・データサイエンスは魔法のように思われている節もありますが、上記にあげたように泥臭いことも多いです。これらを乗り越えてデータサイエンスでの社会貢献に向けて、日々研究を進めています。


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